第三章 幻想と虚構の街、ネコジャラシティ (episode9〜13)
シラタマたちは、ニャントムを倒すため、
まず大陸一番の都市、ネコジャラシティを目指すことにした。
新しい街に到着し、目を輝かせるシロミ。
にぎわう街の中、ひときわ目立つ一人の大道芸人、クッキー・サクットスを見つける。
彼のショーの内容はどこかで聞いたような話。
タイトルは、なんと「時のマタタビショー」だった。
シラタマたちは、すぐさまクッキーに話を聞こうとするが、
クッキーはすぐに逃げ出してしまう。
それを追いかけたのは、腹ペコの食いしん坊、ミタラシ。
軽快な足取りで逃げるクッキーを、あっという間に追い詰める。
クッキーは観念し、ついにその秘密を語り始める。
実は、彼の家系は宮廷大道芸人の一族で、
祖父の代までニャンダルシア王国の宮廷で芸を披露していた。
しかし、父親は家を離れ、放浪の旅に出てしまったという。
クッキーはその父親を探すため、大道芸人として生計を立てていたのだ。
だが、ニャントムが復活し、彼の旅の一座も解散。
それから、祖父から聞いた「時のマタタビ」にまつわる伝説を、
ショーとして演じてお金を稼いでいたのだ。
しかし、シラタマたちは疑問を抱く。
なぜ、クッキーはニャントムの復活を知っていたのか?
その答えは、クッキーの故郷に伝わる「預言書」に書かれていたという。
その中には、ニャントムの復活と、
それに立ち向かうための重要な手がかりが記されていた。
クッキーは、自分の故郷であるアンコロ村へと案内することを決意し、
シラタマたちに同行することとなる。
出発前夜――ネコジャラシティでの一夜。
シラタマたちは、宿を取るのに苦労し、
狭い部屋で雑魚寝をすることになった。
ワラビやミタラシが眠りに落ちる中、
窓の外を見つめるシロミに、シラタマは声をかける。
「城のふかふかのベッドの方がいいんじゃないのか?」
シロミは静かに語り始めた。
幼い頃のこと、家族のこと、そして姫として過ごしてきた日々への想い――。
「クリームを助けたいの。お父様たちに…恩返しがしたいから。」
その言葉に、シラタマは静かに目を閉じ、
強い決意を胸に眠りについた。



