第二章 奪われた光と、旅立ちの誓い (episode6〜8)
王国を祝う建国記念日。
華やかな宴の裏で、妹クリームは姿を消した姉・メレンゲを探していた。
その頃、シロミに扮したメレンゲ姫は、シラタマに会うため、こっそり城を抜け出していた。
だが突然、空間を切り裂くようにガラスが砕け、悪魔ニャントムが現れる。
500年前に封印されたはずのその存在は、「時のマタタビ」を求めて王国を襲い、
姉と勘違いしたクリームをさらって姿を消した。
愛する娘を奪われた国王と王妃は深い悲しみに沈み、
シラタマは二人から、500年前に起きた悲劇を知らされる。
争いの絶えなかった時代、王女オムレット姫と傭兵シロミソは密かに愛し合っていたが、
平和のため姫は政略結婚を選び、結婚式の日、現れたニャントムに立ち向かうべく
命を賭して「時のマタタビ」の力を解放し、自ら封印したという。
伝説とされてきた魔が再び現れ、そして「時のマタタビ」が今も存在する――
その現実に、王たちは動揺を隠せなかった。
だがシラタマの心には、あの日と同じ、不思議な鈴の音が響いていた。
「今度こそ、姫を守るんだ。」
そして静かに、しかし確かな声で決意を口にする。
「俺が行きます。必ず、クリーム姫を助け出し、――そして、メレンゲ姫を守ります。」
出発の準備を進めるシラタマと、頼れる弓使いワラビ。
そこへ現れたのは、幼なじみのミタラシだった。
「俺も行くよ。シラタマはいつも無茶するんだから。」
そうして、シラタマ、シロミ、ワラビ、ミタラシの4匹は、
それぞれの想いを胸に、運命を切り拓く旅へと歩き出す――。



